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育てられなかった…

 

 

 横たわったまま元気のなかった一匹は、やはりそのまま死んでしまった。

 

 翌日、庭の椿の根元に埋めてやる。

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 ねえ、死んじゃったの。

 

 

 

 ねえ…

 

 

 

 さみしくなったねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 餌も食べていたようなのに、なにが悪かったのか。

 かえって痩せ衰えて、なんだか干からびてしまったような感じ。

 そうか、水が足りなかったのかもしれない。

 残った一匹も心配だ。

 水ナスなんかいいかも。それにティッシュペーパーに水を含ませて置いてみる。

 お、食いついてきている。水も飲んでいるようだぞ。

 

 しかし ―、ほどなく様子がおかしくなる。

 なんだか死んだ相方の死に際に似てきたのでは…。

 覚束ないながらも足取りにはいきおいがあったのに、今は弱々しくよろめいているように見える。毛並みも荒れて、いつのまにか痩せてきているのではないか。

 もしや、餌は食べても消化はできていないのだろうか。排泄物も見当たらないし。やはりミルクか。

 

 数日前はシリンジでやろうとして激しく嫌がられたけれど、ティッシュに浸してやればどうか。人間の赤ちゃん用のミルクだけど。

 ミルクのところに(割り箸で摘まみ上げて)連れて行ってやると、一旦 口をつけるようす。

 だが、そのまま固まっている。しばらくするともう口もつけていない。どうした。

 動かない。おかしい。

 なんと! その姿勢のままで死んでしまっているのだ!  ショック死?! えっ!?! !

 

 

 

 

 

 

 

 けっきょく育ててやることはできなかった…。

 ごめんね。

相方の隣に埋めてやる。

 

成仏しろよ…