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夏至、凌霄花、季語…あれっ?

 夏至。庭の凌霄花(ノウゼンカズラ)が咲きはじめた。 ……ん?

 あれ…? 以前にもこんな題で書いたことがあったような気がするぞ…?

 

 …ありました。4年前の夏至。う~ん、変りばえしませんなあ…。

 いや、でもこの時書いたことがずいぶんいい加減だったので、ここで訂正しておきたい。人間まだまだ学習するのだ  (-o-)/

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  まず、凌霄花について。

 毒があって失明するという風説はまったく根拠はない ― と書いたが、やはり毒はあるようだ。ラバコールという成分があって、でもこれはそれほど強いものではなく目が腫れたり肌がかぶれたりすることがあるという程度のものらしい。

 貝原益軒の「花譜」に“…脳を破る…目暗くなる”と書かれていたのが大袈裟に伝えられてきた、といったところらしい。

 

 それから歳時記って、角川みたいな新参の本屋が勝手に決めてるのか、なんていちゃもんもつけてますねえ。

 もちろんそんなことはなくて、ちゃんと調べると、連歌の式目(ルール)書の頃から整理されはじめて、歳時記としてはまたまた貝原益軒(!)の「日本歳時記」が最初とか。現在も各出版社からも出ているけど、やはり角川がやたらに目立っている。

文芸春秋
文芸春秋
平凡社
平凡社

 

 温暖化のせいか、凌霄花はもう5月の下旬ごろからあちこちで咲き始めていた。 もう‘狂い咲く’なんて言えない。で、狂い咲くといった場合季節はいつになるんだ、とも書いたのだが、実は正解があって答えは冬❢でした。

 ‘帰り花’という季語があって、その副題に‘狂い咲き’があった。“初冬の小春日和のころに多く桜、躑躅…などに多いが、その他あらゆる草木の二度咲きを総称していうのである(平凡社:山口青邨)”のだそうだ。

 え? じゃあ、夏や秋の季節外れの場合は俳句にしちゃならんということか。う~む、歳時記の横暴。無季だとか、季重なりだとか…。

 よし、じゃあ思い切り季重なりの句を詠んでやるぞ。

 

狂ひ咲く木瓜、沙羅、木槿も夢の中

 

 どーだ。‘狂ひ咲く’は冬、‘木瓜’は春、‘沙羅’は夏、‘木槿’は秋。え? みんな狂い咲いているんだから単なる冬の句だって? 

 

 

 梅仕事開始。

 あ、これも4年前と一緒だ…。