
めったに遠出をしなくなっていたから、せっかく福島まで出たついでに、かねて訪ねたいと思っていた盛岡の岩手県立美術館に足を延ばす。
ここには当地出身の舟越保武の主要な作品の大半が所蔵されているのだ。(松本竣介や萬鐡五郎の作品も。) ☞


でも「聖ベロニカ」の展示がなかったのが残念…。


しかし、福島の常磐線 広野から盛岡へは、‘ついでに足を延ばす’なんてものじゃないな…。
単線、無人駅、ワンマン運転、乗り降りのドアの開閉は乗客がボタンを押す。
車窓からは震災のあからさまな爪痕は見えないが、ところどころの更地に重機、建て替えられて家は新しく、古い建物は見当たらない。

せっかくだから盛岡の樹も見なければ。
風雨強まるなか、市内を歩き回る。
グーグルマップに表示されていた「南大通佐々木氏のシダレカツラ」。盛岡市の‘景観重要樹木’。樹齢130年との標記。
民家だけれど公開されているようだが、前のカーポートみたいのはたまたまオープンになっていたのか。
巨木というほどのものではないけれど、このシダレカツラというのがめずらしいらしい。

肴町駐車場にもシダレカツラが。こちらはなかなかの見ごたえ。これは国指定の天然記念物だ。
標示板の説明 ― “カツラの木の枝は、普通直立型の枝を生ずるが、「シダレカツラ」の枝はいずれもしだれており、学術上珍奇な変種とみなされている。「シダレカツラ」ははじめ、花巻市大迫町…の山林地内で発見され…妙泉寺境内に植えられた。その後、盛岡市大ヶ生の瀧源寺に移植され…現存するのはひこばえから成長したもの。肴町のシダレカツラは百三十年ほど前に瀧源寺から根分けして植栽されたものである。” ですって。

これはたまげた。
盛岡地方裁判所の「石割桜」。周囲21mの花崗岩を真っ二つにカチ割って屹立するエドヒガシ。
盛岡藩家老 北家屋敷の庭石の割れ目に飛んできた種が芽を出し、成長とともに割れ目を押し広げた。今もその割れ目を少しずつ押し広げているそうである。(でも挟まれてるところは勿論ぺっちゃんこ!)
幹周4.6m、樹高11.0m、樹齢350~400年。国指定天然記念物。