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市松人形~ビアズリー展

 

 プチギャラリー更新の手続きに人形の家に。

 藤村紫雲、岩村松乾齋(四代目東光)両師の市松人形の展示販売会。

 ふたりとも在室していて親しく話を聞く。眼の入れ方の角度について、桐のおが屑が入手しにくくなっていることについて、‘東光’の名が常に使われたわけではないことについて等々…。    ☞

 市松人形師は今やこの両師のほか、藤村光環、山崎明咲さんくらいになってしまった…。    ☞

 

 

 帰路 東京丸の内の三菱一号館美術館に寄りビアズリー展を観る。

 ビアズリーの挿絵がついた岩波文庫の「サロメ」はたぶん中一の頃読んだ。姉が手当たり次第に買い込んでいた文庫本の古典名作のなかの一冊だったのだ。

 

 その後、岩崎美術社の画集なども買っていたから、その作品のほぼ全容は一応見知っていた。あのポルノまがいの「リューシストラテー(女の平和)」にはいささか唖然とさせられたが。(本展でも18禁の制約をかけて展示していたな (≧▽≦);) 

これも浮世絵の影響じゃね、多分
これも浮世絵の影響じゃね、多分

 三菱一号館は原建築ではなく、2009年に復元されたもの。元々は美術館として構想されたものではないらしい。高い天井と広々としたスペースがあるわけではなくコンパクトな区画がつながって、ビアズリーのような小品を系統立てて紹介するにはうってつけの会場だ。

 ほんの寄り道のつもりだったのが、2時間ほど閉館ぎりぎりまで観てしまった。

 不埒で不遜で繊細。アールヌーボーやらの影響があったにせよ、ビアズリーのような画風は同時代にはなかったのではないか。むしろ、現代にこそその密かなエピゴーネンかいるような気がする。

なぜか今宵は中華の気分じゃ…