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面妖の森

 

 テニスコートへの道からすこし外れたところに子安神社という木花之開耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)を祀る社があって、その参道の入口にシイの巨樹が立っているという。さっそく訪ねてみる。

 市の保存樹木という標示板。幹周り5.00m、樹高15.0mという。スケールはさしたるものではないものの、その枝振りや木肌の表情はなかなかのインパクトだ。 ☞ 

 入口からの長い参道。その両側にさらに身悶えするかのようなおどろおどろしい枝振りの樹が何本も。どうしてこんな面妖な姿になったのか。特に強風が吹き抜けるような土地でもあるまいに。

 ひと気がないとおもっていたら、近くの福祉施設の人たちの散歩だろうか、引率者とともに何度も参道を往復している。鳥の囀りが聞こえ、木々に覆われた穏やかな森ともいえる場だけれど、どこか尋常ならざる異空間のようにも感じられる。