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にわか乗り鉄 - いすみ鉄道

 

 乗り鉄でも撮り鉄でもないけれど、いすみ鉄道に乗った。

 いすみ鉄道は房総半島の真ん中を走って小湊鉄道につながるローカル線。車中の自社つるし広告には“一生に一度、一時間に一本、いすみ鉄道”との自虐(?)コピーが。

 単線の線路は沿線の木の小枝が車窓をこするようなところも。動力はディーゼルだ。 ☞

  乗務員は運転手のみ。ワンマンバスのように乗車時に整理券を取って、表示されている料金を降りる時に払う。駅に駅員はいない。

 

 鉄道マニアが押しかけるんじゃないかと思っていたけれど、平日だからかそれらしい客はなし。観光客も周遊券をもった中年夫婦一組だけ。他には地元住人数名。こりゃ赤字だわね。

 


 いすみ鉄道に乗ったのは、いすみ市の郷土資料館での‘明治のきもの’展を見ようと思って。

 肩上げしていない子供の着物。地味だけど、その時期しか着られなくなることを承知の贅沢な仕立て。すべて家紋付き。


 

 

 郷土資料館は、他の駅に比べればまだ町らしい雰囲気のある国吉駅から10分。

 でもぽつりぽつりとある商店も、ほとんどが閉まっているかもう廃業してしまっているようだ。

 

 

 

 

 


 

 そんななかで、なぜかログハウス風のこじゃれたレストランが唐突に出現する。昼食の選択肢はここくらいしかない。

 先客は地元のおばさまがた3名がケーキセットで井戸端会議。

 スペシャルランチB、ポークソテー和風ソース。けっこうなお味でした。

 

 

 

 


  昼食をとって明治の着物を見たら、帰りの電車には1時間ほども待たねばならない。

 ホームの案内板に出雲大社が10分ほどの所にあるというので行ってみる。

 

 ご神木。すっきりと形のいいイチョウ。たまたま来ていた地元の世話役らしき人が、樹齢400年だという。う~ん?

 


 

 案に相違して、帰りの車輌は下校の中学生でひしめく。こんな不便な鉄道で通学するとは! 一本乗り遅れたらもう登校意欲なくすな。おちおち道草も食ってられんしねえ。でも却って規則正しい真面目な学生生活が送れるかも。

 

 小湊鉄道は7月の大雨で現在不通。いつかふたつを乗り継いで房総半島を横断しようか。水田の青々とした季節なんかさぞ気持ちいいだろうな。