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かき氷を正しく食す

 

 わたくしは日本人として季節を正しく味わい尽くすことをよしとする者である ( `ー´)ノ

 春は花見に桜もち、夏なら断固 花火にかき氷 ―でなければならない!(では秋に月見、冬に寒中水泳をするのかと問われれば口ごもらざるをえないが…)

 だが、正しくかき氷を堪能するのは、どうしてなかなか容易ではない。 ☞

 

 なにより肝心なのは、かき氷そのものより店内の環境、つまりは冷房の問題なのだ。

 せっかく暑い暑いと言いながらかき氷を味わおうというのに、冷房がギンギンにかかっていては興醒めである。いや、むしろ冷房などないのが理想だとすらいわねばなるまい (-ω-)/

 (神田須田町の老舗の汁粉屋「竹むら」は夏場のかき氷も極上なのだが、かつてはまったく冷房がなく、入口の引き戸・窓を開け放って風を通し、卓の下にさりげなく団扇が置いてある、というまさに文句のつけようのない最良の‘かき氷屋’でもあった。だが、悲しくも今はエアコンが入ってしまっている (--〆))

 

 市民テニスで小学生の相手を務めた帰り道、かねて気になっていた店に寄ってみた。「くふ楽」という。

 

 どうやら夜の居酒屋が本来の商売らしい。元々が果物を扱う店だったようで、昼にフルーツサンドなどを供する。そして夏にはかき氷も。

  1階は飲み屋らしい照明の暗いカウンター席。かき氷の雰囲気じゃないなと敬遠していたのだけれど、かき氷の客は靴を脱いで2階に案内される。

 

 先客の若者ら2組。うってかわってなかなかの雰囲気。床は畳表で窓に簾、座椅子。そしてエアコンはおそらく掛かっているかどうかくらい。扇風機が回っている。いいね!

 かき氷にもこだわりがあるらしい。はたして ―?

 (ところでネットなんかで行列ができるかき氷屋が紹介されたりするけど、何十分(下手すると1時間以上?)も待つとか。まったく気が知れませんね。価値観の優先順位が狂ってるんじゃあないの "(-""-)"  だいいち、そんなかき氷は得てして気取ったデコレーションがされすぎている。かき氷ってもっとシンプルであるべきではないでせうか <(`^´)>)

 

 肝心のかき氷そのものは…?

 

 ま、ふつう、ですね。

 宇治金時のあずきは缶詰ですな。抹茶シロップもふつうの出来合い。

 でも変にごてごてしていないし、かき氷ってこんなふうでよろしいのでは。(そのわりにはちと高いけどね。)

 こんどは氷いちごを食べてみよう。

 

 

 今年の夏はへんな夏だったなあ。

 最盛期であるはずのお盆をはさんで時季外れの梅雨末期状態になっちゃったし。

 真夏って、うだるような暑さのなかで、もうどうでもいいやとだらだらしても許される唯一の季節ではありませんか。だって、夏なんだもん。自堕落の快さ。そんななかでかき氷を食いにいく。

 この夏はついその逸楽を逃してきていたな。そもそも街なかに適当なかき氷屋が見当たらなくなっているし。(あの「氷」の旗?幟?も最近見かけないような気がする。)

 でもまあ、どうやらまずまずのかき氷屋が見つかったってことで…。