わが町奥座敷‘鐵の家ギャラリー’恒例のチャリティコンサート。
毎年、5月ごろには西山まりえ、11月には二十絃琴の第一人者、吉村七重が登場する。
定員50人。こんなインティメートな空間で一流の演奏を聴けるとは、つくづく幸せだ。
最前列に座る。ステージはないので、演奏者との距離は2メートル足らず。 ☞
琴の音 ―。耳で聴くというより、どこか身体の深いところに共振するかのようだ。子供のころから母が琴を弾くのを身近に聴いていたせいだろうか(母は琴(山田流)と三味線(長唄)の名取を許されている)。
糸が絹ではない(ナイロンだろうか)らしいのに若干の記憶とのギャップを感じる。それでも十三絃はもちろん、圧倒的な迫力の二十絃でも、糸と桐の胴との響き合いから生まれる音色を聞くと、ああこれだな、と思う。
1曲、お弟子さんによる十七絃の演奏もあった。CDなどで聴いてはいるが、現物を見るのは初めて。低音に特化した琴らしく、胴も長く糸も太く琴柱も大きい。構造もやや異なるようだ。チェロ的な存在か。音色も極めて魅力的。
洋楽の現代音楽は、時にほとんど苦痛でしかないことがあるが、現代邦楽にそう感じることはめったにない。音色のせいか、邦楽独特の‘間’のせいか。
十三絃での練達の古曲 "乱" も含め、どの曲も陶酔的な心地よさ…。
帰路、秋の大法要に合わせた骨董市が。
夕刻近いのですでに店じまいを始めかけている。
明日まで開いているという。改めて来てみよう。