今年はバロック・ハープ演奏で、1600年前後のナポリの音楽家たちの曲。
マイオーネとかトラバーチという音楽家は初めて聴く。明るく・激しく・優美に心地よい四声・五声が絡み合う。
そして、かの異端の貴族カルロ・ジェズアルドが唯一作曲したという鍵盤曲。ジェズアルドらしい錯乱しながらも甘美な半音階。
それにつけてもハーブ奏者の手さばきの美しさ。右手は細やかに躍動感あるステップを刻み、左手はゆったりと優雅に舞う。手の動きを見ているだけで陶然としてしまう。
バロック・ハープやナポリの当時の音楽事情についての、西山まりえさんの話も洒脱で楽しい。
このうえなく贅沢で幸福な初夏の午後。