· 

蕎麦屋で、独り飯

 ランチはともかくとして、晩酌を兼ねた晩飯を一人でとるのに手ごろな店、を見つけるのはわりと悩ましい問題だ。

 半年ごとの眼科検査を受けてから、市ヶ谷の金魚屋に寄ったあと、その晩飯をとることに。 ☞

 まず、グループで盛り上がっているような居酒屋は問題外だ。カウンターのある天ぷら屋とか寿司屋でもいいが、閑散として主人の視線が気詰まりだったり(場合によっては面白くもない話題に付き合わなければならないはめになったり)、逆に混雑していつまでも注文が通らなかったりするのはごめんだ。

 駅から10分程にある大川やという蕎麦屋に入ってみる。

 蕎麦というのは凝れば凝るほど手間がかかる。本当に旨い蕎麦を出す店は、それに全精力を使い果たしてしまうのか、それ以外のいわゆる‘蕎麦前’の料理にまではなかなか手が回らない。まあ、卵焼きとか焼き海苔とかお新香くらいだったりする。

 さて、この大川や。みごとな欅のカウンター。これだけで印象二重丸!客の入りも、混みすぎず空きすぎず。若い店員のきびきびした接待も気持ちがいい。

 アスパラガスの焼いたの、湯葉刺し、牡蠣の天ぷら。これだけちゃんとしたものを出すのに、蕎麦も上々。酒もうまい。

 この店は当たり。頻繁に通うような場所ではないけど、行きつけの一つにしていいな。